俺様紳士の恋愛レッスン
あの雨の日から5日が経った。

一体、どんな顔をして会えば良いのだろう。

十夜はどんな顔で現れるのだろう。


あの日、私は十夜にきっぱりフラれた。

けれど萌の推理が私に微かな期待を持たせ続けるから、心のバランスが取りにくい。



オフィスに着いていつもの様にパソコンを開くけれど、やはり時間ばかりが気になって、数字がカウントされる毎に緊張が積もっていく。

とうとう残り10分となったところで、堪らず席を立ち、トイレへと向かった。


大きく2度深呼吸をし、意味もなく化粧を直そうと、ポーチからリップを取り出してふと思い出す。



「ジョルジオ・アルマーニ……」



怖いもの知らずの乙女だった、ほんの2ヶ月前。

ブランド物のリップを買うことにも、なんの躊躇いもなかった。

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