俺様紳士の恋愛レッスン
再び半べその顔は俯き気味に、到着したエレベーターに乗り込んだ。


ここまでくると、虚しさも悲しさも通り越して、怒りすら生まれてくる。

完璧で優秀なコンサルタントのくせに、クライアントへの対応がなっていないのではないかと。


私はダメダメなりにも、ビジネスの時間だと割り切ってこの場へやって来たつもりだ。

けれど十夜は、裏を返せば私情挟みまくりの対応とも言える。



「片柳さん、何だかいつもと雰囲気が違いますね」



刺々しく言い終えてから「ヤバイ」と後悔するのはいつも通りだ。

しかし今回に限っては、私の言い分は間違っていないという自信があった、はずなのだけれど。



「――あ?」



向けられた重低音に固まる私は、まさに蛇に睨まれたカエルそのもの。

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