俺様紳士の恋愛レッスン
「こっ、こんばんはぁ! 遠山さんに送ってもらったの!」



第一声目の挨拶から、微妙に上擦ってしまった。

しかし十夜はつっこみすらしてくれず、早速だんまりを決め込んでいる。



「いや、さっきまで遠山さんちにいてね! それで、えっと……」



落ち着け、落ち着けと頭の中で繰り返す。

私が言いたいことは、そうではない。



「十夜に話があって。ドア、開けてほしいんだけど!」



その先を見透かすように、カメラに向かって眼(ガン)を飛ばす。

しかし案の定、返ってくる返事はなく、私を見下ろす冷ややかな表情と瞳が、まるでそこにあるかのように目に浮かぶ。



『……ハァ』



微かに聞こえたため息の音。



『だから――』

「お前に話すことはもう何もない、でしょ!?」



インターホンの先で、ぐっと怯む音が聞こえた気がした。

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