俺様紳士の恋愛レッスン
マットレスに乗り上がると、布団ごとぐるりと包み込まれ、寒夜に凍えた身体は、強引な温もりに抱かれる。



「つめてーな」



おでこに当てられた淡い吐息が、くすぐったくて温かい。



「エン、髪伸びたな」

「うん。寒いから伸ばしてるけど、もう切っちゃおうかなぁ」



十夜は今朝と同じように、長い指で私の後ろ髪を弄ぶ。



「寒いなら伸ばしとけ。風邪引かれると面倒だからな」

「あはは。りょーかい!」



恋人になっても、十夜は相変わらずの俺様だ。

けれどこうして、分かりづらくも『伸ばして欲しい』という意思表示をしてくれるから、優柔不断な私には丁度いいのかもしれない。



「十夜、明日も早い?」

「あぁ。5時には起きねーと」

「そっかぁ。優秀なコンサルタントさんは大変――」



と言いかけて、ふと先程の疑問を思い出す。

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