俺様紳士の恋愛レッスン
「ねぇ、十夜って失敗したことってある?」

「なんだよ急に」

「十夜って何でもできるからさぁ。失敗とか挫折とかは無縁で、全部自分の思い通りになっちゃうんだろうなーって思って」



骨ばった鎖骨から、視線を持ち上げる。

至近距離にある十夜の顔は、やはり恐ろしいくらいに綺麗で、半年経った今でも私の心臓は慣れてくれない。



「思い通りにならないことなんて、幾らでもあんだろ」

「え、意外! 例えば?」



キラキラと目を輝かせる私に、十夜は何故か視線を逸らして思案する。



「……言わねーよ」

「なんでっ! 聞きたい聞きたいっ!」

「……なら、ぜってー笑うなよ」

「うん、絶対笑わない!」

「……お前は」

「私は?」



復唱する私を見下ろして、眉間にしわを寄せた十夜は、ボソリと呟く。



「迷わず俺のところにくると思ってた」

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