俺様紳士の恋愛レッスン
「――え?」



一瞬、何のことかと思ったけれど。



「それって半年前、私がタカちゃんに戻っちゃった時のこと?」

「他に何があるんだよ」



頬を淡く染めた十夜は、不機嫌に口を歪ませる。

つまりはあの日、きちんと別れて自分の元へくると信じてくれていた十夜を、私は裏切ってしまったのだ。



「……そっか。ごめんね、十夜」

「お前のせいじゃねーよ」



十夜は長い指を滑らせて、私の頬をそっと撫でる。



「俺はお前の全てを理解してると思ってた。けど違った。そりゃ、6年には勝てねーよな」



ふっ、と笑った十夜は、自嘲を含みながらも、どこか晴れた様子だった。



「ッぷ」

「――あ?」

「あっ、ごめん。でも十夜が負けを認めてるとこ初めて見たから……」



その姿が余りに可愛くて、ククッと肩を揺らしていると。



「笑うなって……言ったよな?」



低く、威圧的な音が落とされる。

< 380 / 467 >

この作品をシェア

pagetop