俺様紳士の恋愛レッスン
「俺が欲しいって言えよ」



悦に揺れる瞳が、私を見下ろしている。

いつだって私ばかりが必死で、彼は余裕たっぷりに笑っている。

悔しくて仕方がないのに、震える唇は従順に、言葉を紡ぐ。



「ほ……ほし……」

「聞こえねーよ」

「十夜が、ほしいです……ッ」



普段は俄然強気なくせに、この時間だけは乙女のように恥じらい、彼を欲する自分が何よりも恥ずかしい。

片腕で目元を隠すと、涙が1つ、2つと頬を流れた。



「いいことを教えてやる」



フッ、と笑った彼は、私の腕を取り払うと、静かなキスを目尻に、優しいキスを唇に落とす。



「お前が泣けば泣くほど、俺はお前を愛してやれる。だから」



綺麗な弧を描いた、その口元。



「お前は、俺のためだけに泣け」



光を背にして妖艶に翳るその表情は、甘く優しく。

一路に落とされる視線には、確かな情愛の色が浮かんでいた。

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