俺様紳士の恋愛レッスン
「ンァ……ふァッ」



再び訪れた限界に、彼の首へ腕を回し、しがみついた。

触れ合う部分は溶けそうなほど熱いのに、湿り気の残る湯上りの髪は、冷気に当てられてひやりと冷たい。



「円華」



鼻腔をくすぐるのは、淑やかなムスクの香り。

昼とは違う、夜限定の彼の香りが、より一層色気を纏わせる。



「もう、限界?」



濡れた親指が引き抜かれ、重なる体温。

彼の髪が額を掠めるほどに、寄せられた瞳。



「十夜ァ、もう……ッ」

「しょーがねーな」



額に落とされる優しいキスは、最後の合図。



「――あァッ!」



幸せの瞬間に、身を委ねた。




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