俺様紳士の恋愛レッスン
「可愛いーッ! ちっちゃーい!」

「えへへ。頑張りました」



天使から産まれた小さな天使は、むにむにと手足を動かしている。

小声で「十夜も来なよ!」と手招きすると、入り口で佇んでいた彼は渋々こちらに歩み寄る。



「ほら、めちゃくちゃ可愛いよね!」



笑顔で話し掛けるものの、直立のまま赤ちゃんを見下ろす十夜は、ただじっとその動きを見つめている。

その様子に心臓がドキリと鳴って、堪らず「十夜」と声を掛けると。



「……ちっせーな」



ふっ、と笑った十夜は、赤ちゃんの手のひらに人差し指を静かに乗せる。

応えるかのように、赤ちゃんはその指をきゅっと掴んだ。



感動と言うには安く、切ないともまた違う、その光景。

じん、と胸に込み上げる感覚は、目頭までもを熱くさせる。


優愛ちゃんと遠山さんは、どんな想いに包まれているのだろうか。

振り向くことは出来ないけれど、きっと優しい表情で、十夜を見つめているに違いない。

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