俺様紳士の恋愛レッスン
「バーラウンジは何階なの?」

「33階。つーか目開けんなよ?」

「開けない! 絶対開けないっ!」



おでこの辺りで、十夜がフッ、と笑うのを感じた。


ふわふわとした感覚は、エレベーターが上っているからか、それとも夢見心地な緊張のせいか。

高揚する気持ちを腕の力に込めると、やがて足元に重力を感じ、「行くぞ」と腕を引かれる。



「と、十夜、ドキドキして足震えるっ」

「しっかり捕まっとけよ」



私の腕に触れながら、ゆっくりとしたスピードで優しく導いてくれる十夜。

浮き立つ気持ちを抑えられずに、「なんだろー」だとか「ひゃー」だとか、意味もない言葉を並べていると、十夜の歩みが徐に止まる。

そして、ピーという機械音の後に、ドアが解錠される音を聞いた。



「エン、ここに座れ」



そう言って、十夜は私を椅子らしき物に座らせる。

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