俺様紳士の恋愛レッスン
「……ホーム、パーティー?」



全く以て状況が理解出来ず、四方を見渡しては何度も瞬きをする。


真白の壁に、真白の天井。

黒にも近いウォールナットのフローリングには、反射したオレンジライトの淡さが浮かび、天地を繋ぐ大きな窓には、天然石を散りばめたかのようなネオンが光る。


その美しさには息を呑むのに、どこか違和感を感じるのは、この部屋が余りに殺風景であるからだ。

インテリアと呼べるものは、ダイニングテーブルと2つのチェア、それ以外には見当たらない。


これではまるで、『入居が決まったばかりの部屋』だ。



「バーに行くんじゃなかったの?」



積もりに積もった疑問の中から、最初に出てきた率直な反応。

十夜は待ってましたと言わんばかりに、口角の片端をニヤリと上げた。



「バーに“行く”とはヒトコトも言ってねーけど?」



悦に染まった笑顔を浮かべて、十夜は私の身長に合わせるように、細い上体を少し折る。

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