俺様紳士の恋愛レッスン
「お望み通り、徒歩3分の駅チカだ」



大きくも華奢な手のひらが、そっと私の左手を包み込む。

手のひらに乗せられたのは、彼の名刺によく似た真白のカードキー。



「プレゼントはお気に召しましたか? 篠宮サン」



視線を上げれば、端正な顔の緩やかな笑みが間近にある。

ビジネス仕様は、きっとある種の照れ隠しだ。



「……お気に召さないわけ、ないじゃんっ」



全てを理解して、一気に雪崩れ込む感情。


サプライズに驚いて、けれどまんまと騙されたことは、少し悔しくて。

渡されたカードキーが嬉しくて、私のためにここまでしてくれたことが、何よりも幸せで。



「十夜のバカッ! 大好き!」



いつかと真逆の台詞と一緒に、彼の胸に飛び込んだ。

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