俺様紳士の恋愛レッスン
『続いては新婦から新郎へ、一生美味しいご飯を作ります、という意味を込めて、お願いします!』



すると「顔いっぱいにクリームを塗ってくれ!」「ぐちゃぐちゃにしてくれ!」と男性陣から野次が飛ぶ。

ここぞとばかりに沸き起こるイケメンひがみに、これは応えるしかないと、私は溢れんばかりのケーキを盛った。



「十夜、いくよ?」



お返しと言わんばかりにニヤリと笑ってみせると、十夜は眉間にしわを寄せて笑う。


しかしここは祝いの席。優秀なビジネスマンの十夜ならば、確実に空気を読むはずだ。

追い打ちを掛けるように「いけー!」「顔面クリーム!」などの野次が飛び、最早逃げ場はない。



「……うっせーな」



観念したのか、小さく息をついた十夜は、皿を持つ私の手首をガッと掴む。

「自分からいくのか!?」との周囲の期待に応えるように、十夜は私の腕を強く引くと。



「甘いんだよ」



一瞬の隙を突き、私の唇の端についたクリームをペロリと舐め上げた。



「――ごちそーサマ」

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