俺様紳士の恋愛レッスン
私が赤面するのが先か、周囲からの悲鳴が先か。

一瞬の出来事に唖然としていると、十夜は男性陣からの大ブーイングに「ザマーミロ」と笑ってみせる。



「ちょッ、十夜!?」

「今日は気分がイイからな。サービスだ」



恐らく見た目よりも酔っているのだろう、意地悪く笑った十夜の顔は、普段よりもうんと幼く見える。

お陰で心臓はまた止まりそうになるけれど、こんな幸せな日に死んでたまるかと、「十夜のバカッ!」と持っていた皿をその口元へと勢い良く押し付けた。


べしゃ、という鈍い音の後、わぁっと歓声が上がる。

やがてくっきりと刻まれた眉間のしわを見て我に返るけれど、時既に遅し。



「エン、覚えとけよ……」



真っ白に塗られた口元は、恐ろしいほどに綺麗な弧を描いていた。

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