俺様紳士の恋愛レッスン
「十夜、それめちゃくちゃ嬉しいって言うんだよ……!」

「そうみたいだな」

「ヤバイ、感動して涙が……ッ」

「だー、泣くなっつーの。身体に響く」



私の肩を抱き寄せた十夜は、涙を堪えて俯く頭をくしゃりと撫でる。

触れ合った体温は、とても優しくて、頼もしい。



「赤ちゃん、もし男の子だったら十夜に似てほしいな。そしたらイケメン間違いなし!」

「女ならエンに似てもらわねーと困るな」

「どうして?」

「目つきの悪い女なんて嫌だろ」



冗談なのか本気なのか、真顔で言う十夜に「ぷっ」と吹いてしまった。

お陰で潤んでいた涙も流れずに、薄らいでいく。



「十夜に似て頭のいい子だったらいいなぁ。おバカな私に似ちゃったら大変!」

「……エン、採長補短って知ってるか?」

「サイチョーホタン?」



聞き慣れない言葉にきょとんとすると、十夜は「だよな」と意地悪に笑う。

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