俺様紳士の恋愛レッスン
「へー? どんな風になるんだろ。一緒に飲んでみたいなー?」

「おい、テメ……」

「じゃ、二人で行きましょ?」



ニタリと笑う私に、片柳さんは眉間のしわをこれでもかと深くする。


今の私は相手の弱みに付け込む、ものすごーく嫌なやつだ。

けれどここまで来たら絶対に引き下がるものかと、謎の意地に侵された私には、もはや怖いモノなど何もない。



「だーもー、しゃーねぇな」

「やったー!」

「一時間で帰るからな」

「全然おっけー!」



私の満面の笑みに対して、片柳さんは呆れのため息をつく。

そして私に店の前で待つように言うと、店内へと入っていき、程なくして戻ってきた。



「で、どこに連れてってくれるんデスカ」

「えーと、駅前に美味しいワインバーがあるから、そこに……」



暗がりの道を指差すと、片柳さんはその方向へスタスタと歩いて行ってしまい、私は慌ててその背中を追う。

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