そばにいたいの、ずーっとね。
わたしらしくいるって
家に戻ってLINEを見る…
30件。
ヒマだ、テレビつまんない、
シャワーあびた、ビール飲んだ
まだ帰ってこないのか…
なんだ、この報告…

ぼんやり眺めていたら
電話が鳴る。

『やっと、帰ってきたのか。
ずいっぶんとゆっくりだな、俺の気も知らないで。
ふーん。蘭ちゃんちってほんとなのかね?』

ご機嫌ナナメだな、当たり前か。

『麻友さー、蘭ちゃんちに泊まるとかさ、ヒマなんでしょ?
来週、こっちこいよ。
絶対な。』

来週は、お父さんの誕生日で
実家に帰ろうかと思ってたんだけど…
これ以上、機嫌悪くなるのたまんないしな…
とりあえずはいく約束をして
裕也の機嫌はなおった。

ほっとしたな。
はぁぁぁぁぁぁぁあー。


釈然としないまま、やってきました、週末!
彼の住む街まで電車で3時間。

やっぱり、会えるとなるとテンションあがるーーー!
初デートのお気に入りのカフェに行きたいな!とか
前に連れて行きたいっていってた
石蔵のイタリアンもいいなとか。
抱きしめてくれるかな、とか
裕也の笑顔が見られるかなとか。

早くつかないかなぁ♩

駅に着くと
裕也がお迎えにきてた。
電車のタラップからそっと、わたしを抱きしめて、おろして
よく来たな、と頭をポンポン。

キュンとした。
やっぱりこういう優しいしぐさ、好き。
最近はわからなくなってた気持ちも
会うとわかるもの。
良かったな、無理しちゃったけど来て。

車に乗ると裕也が
「ごめん、まだ仕事残ってて
せっかくだけど、ホテル送るわ、仕事戻るな。」

出かけていいか、ときくと
夕方までには戻るから、それまでには帰っててと。

それから、ほんの少し
ケーキと紅茶のお店で時間をつぶして
夕方にはホテルで裕也を待つことにした。

19時になって
まだ?のLINEは既読にならず
20時に電話が。
なんと、高校時代の友人から
集合がかかったと。

わたし、3時間かけてきたんだよ?
まさかの放置か…

裕也に不機嫌で伝えると
逆ギレする始末。

『俺はさ、麻友と違って
こういうこと、あんまりないの知ってんだろ?
みんなが集まるなんて珍しいんよ?
それでも、麻友優先か?』

……はは、なんもいうことないや。
優先順位、麻友が下でしたか(笑)
いってらっしゃーい。

すっかり、気落ちして
食事に行く気にもならず
蘭ちゃんにいえば、怒られると
連絡もできず、黙ってコンビニのサンドイッチをテレビ観ながら食べましたよ、とほほ。

そんななか、裕也が帰ったのは
真夜中3時…

酔って帰ってきて
当然のように、わたしを抱こうとする。

痛いといっても
話をしたいといっても
とめてはくれない。
泣きながら、裕也をうけいれた。


眠ってしまった裕也を見つめて
わたしの中で何かがキレる音がした。

こんなの恋じゃないよ。
好きでいるのが苦しいよ。

朝方、まだ眠っている裕也を残して
黙ってホテルを出て
始発を待ち、自分の家へと帰った。



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