恋人境界線

「誰も手伝ってくれなくてさー。取り敢えず真島取っ捕まえて書かせたんだけど、最悪でしょ?」


うんざりしたように静佳は言うと、そのポスターをくしゃくしゃに丸めた。


「あんま気張り過ぎんのもどうかと思うけど、出し物自体しっかりしてないでしょ?うちら」
「イベントサークルなのに、ね」


あたしの言葉に、静佳は陽気な笑い声を立てた。

これまでにサークルが企画したイベントや旅行なんかを写真付きの冊子に纏め、自由に閲覧できるようにするのが、学園祭であたしたちに課せられたノルマ(大学側が自由さをアピールする為に依頼してきた企画、だ)だった。


「あんまり時間もないんだよねー。あたしこれから民訴の追試だし、他のみんなもバイトだデートだ言って集まらないし」


腕を組んだ静佳が、うーむと首を捻る。


「あたしが作るよ」


断るより、こういうのは受け入れた方が遥かに楽だ。ちゃちゃっとパソコンを使えばなんとかなる。


「ありがとう志麻ー、やっぱり頼りになる!」
「出来映えはあまり期待しないでね」
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