坂道では自転車を降りて
さて、次は何を弾いてやろうか。考えていたら、ため息が出た。
『いいの?』って聞いたら、『何が?』だって。こんなところで男と2人きりになることに、何の危機感も抱かないってどうかしてる。鍵だって閉まるし、他の教室とむちゃくちゃ離れてるし、おまけに防音なんだぞ。俺、信用されまくってるよな。鈴木先輩はお父さん。さしずめ俺はお兄ちゃんか、それとも弟か。このまま、俺は何も伝えられずに、彼女は神井のものになる。だからなんだよ。それがどうした。
俺はあの旋律を奏でてみた。俺が作った曲。今回の公演のためにというよりは、彼女への思いを込めた曲だった。やっぱり、ピアノで弾きたかったな。1人で歌う俺の歌を彼女は黙って聞いていた。
「アンパンマンの後じゃあ、かすむな。」
「そんなことないよ。良い曲だよ。」
涙声だった。なんで泣くんだ?唖然として彼女を見ると、彼女は目を細めて笑っていた。この曲の何に君は心を動かされたの?君はどうして泣いているの?
「大野さん。」
俺の手が彼女の肩に触れた。
『いいの?』って聞いたら、『何が?』だって。こんなところで男と2人きりになることに、何の危機感も抱かないってどうかしてる。鍵だって閉まるし、他の教室とむちゃくちゃ離れてるし、おまけに防音なんだぞ。俺、信用されまくってるよな。鈴木先輩はお父さん。さしずめ俺はお兄ちゃんか、それとも弟か。このまま、俺は何も伝えられずに、彼女は神井のものになる。だからなんだよ。それがどうした。
俺はあの旋律を奏でてみた。俺が作った曲。今回の公演のためにというよりは、彼女への思いを込めた曲だった。やっぱり、ピアノで弾きたかったな。1人で歌う俺の歌を彼女は黙って聞いていた。
「アンパンマンの後じゃあ、かすむな。」
「そんなことないよ。良い曲だよ。」
涙声だった。なんで泣くんだ?唖然として彼女を見ると、彼女は目を細めて笑っていた。この曲の何に君は心を動かされたの?君はどうして泣いているの?
「大野さん。」
俺の手が彼女の肩に触れた。