坂道では自転車を降りて
「冗談だって。固まるなよ。」
ほっとした。でも、本当に冗談だったのか?

「原は?した事あるの?」
「んー。。内緒。」
表情で分かってしまった。隠さなくたっていいだろ。
「なんだ、ないのか。」

「やろうと思えばできなくもなかったんだけど、」
「ああ、彼女だった子?」
「なんか可哀想っていうか。あっちは初めてじゃなかったんだろうな。言葉が悪いんだけど、して欲しいと言うか、やりたそうで。」
「そうなんだ。それで?」
「なんか、寂しいだけなんじゃないかって気がしたんだ。俺じゃなくても良さそうな。それで醒めたところもある。実際、俺の後にもすぐ他の男とつきあってたし。彼女見て、一度誰かとやっちゃうと、こうなっちゃうのかって思ったら、俺はもう少し、後でもいいかなって。ちゃんと好きな子としたいじゃん。」
だよな。。女の子なら、なおさら大事にしてやんないと、いけないよな。

「ふーん。お前、案外真面目なんだな。」
「俺は、神井君よりよっぽど真面目ですよ。」
「俺のどこが不真面目なんだよ。」
「泣いて逃げ回る女の子を手籠めにしたんだろ?」
「手籠めって。。」

 ひどい言われようだ。あの時は、抱きしめただけだ。でも、、、あの時も泣いてたな。掴んだ腕が怯えて震えてた。あんな風に追いつめなくても、もっとやり方があったはずなのに。

「何?どうしたの?」
黙ってしまった俺に原は少々焦ったようだ。

「確かに、俺は不真面目かもな。」
「大丈夫だって。自信もてって言っただろ?」
「俺、本当、泣かせてばっかりで、自信ないよ。。」
「いや、大丈夫だって。」
「先輩、また殴りに来てくれないかな。」
「おいおい。。。。。」

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