坂道では自転車を降りて
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 メグと買い物すると余計なものまで見て回るから、時間がかかってしょうがない。なんとかコンシーラーとファンデーションを買うことができた。化粧品ってもっと高いのかと思ってたら、最近は100円ショップでも売ってるんだ。肌に悪そう。帰りのバス停でバスを待っていると電話が鳴った。神井くんだ。

「もしもし、俺。買い物できた?」
「うん。ばっちり。」
「よかった。」
「電話なんて、珍しいね。どうしたの?」
「いや、、単に、声が聞きたくて。まだ、外なの?」
「うん。バス待ってるところ。」
「そっか。じゃあ、一旦切るよ。また後で。」
「うん。家に着いたら私からかけるよ。」
「了解。」

 嬉しくて、顔がニマニマしてしまう。メグがあきれ顔で見ていた。バスの中でまた根掘り葉掘り聞かれる。

「それにしても、なんでそんなものつけちゃったのよ。」
「知らないよ。」
 思い出すと、また頬が熱くなってくる。力強く抱き締められて、本当に気持ちよかった。

「これってわざと?それとも勝手につくの?」
「うーん。ここまですごいのは、わざとつけないとつかないんじゃないかな。よほど肌が弱くなければ。」
「なんで、こんなことしたのかな?」
「マーキングでしょ。他の男に盗られないように。」
「。。。。」
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