坂道では自転車を降りて
古本屋でお互いの好きな本を一緒に見て回る。漫画も随分いろんなのを読んでるんだな。弟がいるからか少年漫画もかなり読んでる。まあ、少女漫画の話をされても、俺は全然わからないんだけどね。
他愛のないおしゃべり。本の感想。思い出話。楽しくて仕方ない。このままの彼女を、純粋なままの今の彼女をもっと大事にしたい。彼女を汚したくない。大人になるのなんてもっと後でいい。そんなものに惑わされないで、一緒に勉強したり、本を読んだり、音楽を聴いたり、議論したり、もっと澄んだ時間を過ごしたい。そんな風に思えた。先週、自分がどうしてあんなに焦っていたのか。今はもう思い出せない。
散歩から戻って、また勉強して、夕方になった。そろそろ帰る時間だ。彼女は机の上を片付け始めた。
「本当に、何もしなかったね。」
「なんでだろうな。今日は全然そんな気が起きなかったんだ。」
「ちっとも勉強しないから、驚いてる?」
「でも成績は良いよな。なんで?」
「1年の頃は良かったけど、今はあんまり良くないよ。家で勉強しないといけないのは解ってるんだけど、何して良いか解らなくて。」
「俺と付き合ったから成績下がったとか言われるとやだから、ちゃんと勉強してよ。」
「そうだね。」
肩をすくめながら、筆箱を鞄に納めると、彼女は鞄を持って立ち上がった。
「ねぇ、このまま帰っていいの?」
「多恵はどうしたい?」
「。。。。言われた通り、スカートで来たんだけど。」
「あ。。」