坂道では自転車を降りて

 北村さんの電話番号を調べるのに時間を食った。夕刻、電話をかけると、いきなり怒られてしまった。彼女は全てが初耳のようだった。
「ジョーが学校サボったの??何よそれは!ジョーはそんなことする子じゃないのよ。」
「分かってるよ。だから君に電話してるんだろ。」
「何バカな事させてんのよっ。」
「俺のせいとは限らないだろ。」
「でも、あんたと揉めてたんでしょ?何やったのよ。」
「いやもう、全然、わからなくて。。それも含めて聞いてないかと思って。。」
「どうせまたあんたが独占欲丸出しで、理不尽なことしたんでしょ?このバカ男。」
「いや、そればっかりじゃなくて、いろいろあって。。。彼女に聞いてみてくれないかな。マジで頼む。いや、お願いします。」
 北村さんは今すぐ彼女に電話してくれると言った。必要なら家に行くとも。俺は連絡を待つことにした。

 次の日も上靴に手紙を入れた。やはり「おはよう」とだけ書いた。

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