坂道では自転車を降りて

 そっと下着に手を入れた。彼女はビクリと身体を強ばらせたが、抵抗しなかった。耐えるように目を閉じて、震えている。
「濡れてるよ。多恵。」
 それがすごく嬉しくて、俺は優しく愛撫を続けた。やがて彼女の口から押さえきれない切ない悲鳴が漏れ始め、強ばっていた身体が俺の愛撫に合わせてクネクネと踊り始める。涙の浮かんだ瞳は伏せられ、紅く濡れた唇は半開き、うっすらと汗をかいた頬に、乱れた髪が貼り付いて、もうどうしようもなくエロい。これが、あの大野さんなのか?いつも背筋を伸ばして、真面目で怖くて。

俺が何かに触れたんだろう。突然、大きな悲鳴が上がった。
「んあっ。ゃあああああぁん。」
うわっ。なんてエッチな悲鳴。俺が慌てて彼女の口を塞ぐと、彼女も「んんんんっ。」と唸りながら必死で悲鳴を飲み込んだ。
もう一度、さっきのところを探ってみる。
「んああぁぁっ。んぅうっ。」
全身がビクリと反応し、塞がれた口からまた悲鳴が漏れた。必死で声を抑えようとして、漏れるうめき声が、耐えきれずに首をふる仕草が、エロ過ぎる。

「多恵。」
「ぅ、もう。やめて。こっ、声が。。」
「そうだね。わかった。もう止めよう。」
「声がでちゃぅ。」

 分かったと言いながら、俺は動けなかった。磔にされたまま、胸元を覗かせて喘いでいる彼女の姿は、どうしようもないほど背徳的で、全身に震えが走る。このままずっと、この姿を眺めていたい。これ、写真に撮っちゃダメかな。。

「お願い。もう。」
「うん。わかってる。」
「ほどいて。」
 促されて、仕方なく腕を縛っていたタオルとハチマキを外してやると、彼女は床に倒れてうずくまってしまった。細く小さな泣き声がする。
「多恵。」
俺が触れるとビクリと逃げる。少しずつ俺の理性が戻って来た。やばい。またやり過ぎた。

「多恵。ごめん。大丈夫?」
「大丈夫。少し、休ませて。」
床に丸まって、顔を隠し、ピクピクと痙攣しながら荒い呼吸を続ける彼女を、ドキドキしながら見守る。まあるい尻、ここだけはデカい。

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