坂道では自転車を降りて
どうしてここまで傷つきやすくなってしまったんだろう。これくらいの冗談、以前は全然平気だったのに。
「ねぇ、多恵。俺が、君を、いや、君に、この前、この部屋に来た日、触ったよね。嫌だった?怖かった?」
「。。。。。」彼女は答えない。
「やっぱり、嫌だった?」
彼女はすぐに首を横に振った後、ゆっくりと答えた。
「怖かったけど、もう怖くない。」
「その、もう触らない方がいい?」
「神井くんは?」
「俺の事は今はいい。君の気持ちを知りたいんだ。」
彼女は困ったように俺を見た。ダメと言わないのは何故なのか。
「自分だけで答えを出そうとしなくていい。どう感じたのか、どう思ってるのか、教えてくれるだけで良いから。一緒に考えれば良いから。」
「私。。。。」
「やっぱり、縛られたのが怖かった?それとも叱られたから?」
彼女は俺から視線を外した。頑張って本心を打ち明けようとする時、彼女は視線を外す。
「叱られたのが怖かった。でも、私が悪かったのも分かる。。でも、嫌われちゃうと思ったら、とても怖かった。」
「ごめん。」
「ううん。神井くんは悪くないの。あんなことをしたらあきれて当然だし、ちょっと叱られたからって、泣いたりする私の方が悪いのも分かってるの。ごめんなさい。意気地なしで。」
「いや。」