甘い恋の賞味期限
*****

 日曜日は、昨日の土曜日と違って1日中家にいた。珍しく実家にも顔を出さなかったし、たまにはこんな休日も良いものだ。なんの予定もないから、3食手の込んだものを作った。おかげで、お腹は十分過ぎるほどに満たされている。

「…………」

 おもむろに、千世はスマホを手に取る。見てみれば、千紘から何件かメールが届いていた。

「七五三?」

 一件のメールに、写真が添付されていた。開いて見てみれば、スーツを着た千紘が映っている。子ども用のスーツなのだろう。なんだか、七五三みたいだ。

「メールに何も……書いてない」

 写真が添付されたメールには、本文がない。写真の意味は分からないが、どこかへ出かけるのだろう。
 じゃなきゃ、スーツなんて着ないだろう。一応、返信しておこうと思った瞬間、玄関チャイムが鳴った。

「はいはい、っと。……げ」

 玄関を開け、来客の顔を見た瞬間、千世の眉間にシワが浮かぶ。

「げ、とは何よ、げ、とは」

 来客は、心晴と愛菜だった。ふたりを部屋に上げ、千世は改めて心晴を見る。愛菜は普段通りの服装だが、心晴はなんだか気合の入った服装をしている。メークもバッチリだし、これは嫌な予感がするぞ。

「時間がないから、さっさと準備しましょ」

「準備って、なんの?」

「この間、話したでしょ。知り合いが、いい子紹介してほしい、って。会うのが今日なのよ」

「わ、私は行かないわよ」

 メーク道具を取り出す愛菜から、千世は素早く距離を取る。

「拒否権はないから。服も着替えて。……やだ、コレって」

 勝手に人のクローゼットを物色するのはやめてほしい。
 だが今は、そんなことどうでもいい。

「それはーー!」

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