甘い恋の賞味期限
心晴が見つけたのは、以前、史朗が謝礼としてくれた服一式だった。着る機会もないからと、クローゼットの奥にしまい込んでいたのに……。
「これって、ドンナだよね? 千世ちゃん、すごい。一式揃えたの?」
「ドンナって、そんなに有名なの?」
心晴はブランド品に興味がないので、あまり詳しくない。シャネルとか、有名どころならかろうじて知っている程度だ。
「ドンナはイタリアの老舗ブランドだよ。ブランドのモットーは、女をより美しく。ドンナも、イタリア語で女、って意味だしね。正式なブランド名はもう少し長かったんだけど……一式揃えるとなると、1ヶ月の給料じゃ足りないと思うんだけど……」
「それ、預かり物なの。だから、開けないで……って言おうと思ったんだけど」
心晴も愛菜も興味津々のようで、箱を手早く開けている。1度も開けないままだったので、中身は千世も知らない。
だが、本当に一式揃えていたようだ。靴まである。
「あんたのサイズだけど、ホントに預かり物なの?」
「……ノーコメント」
プレゼントされた、なんて口が裂けても言えない。
だが、サイズが合っているとなると、上手い言い訳がすぐには浮かんでこない。
「やっぱり、手触りが最高。しかも、デザインも素敵」
愛菜がウットリと、ワンピースを見つめている。確かに、素敵なデザインだ。
それは認める。
けれど、それを着て男性に会う気は毛頭ない。
「決まりね。それを着て行きましょ。愛菜、メークをお願い」
「任せて」
「私の意見は無視なのね……」
心晴は絶対に千世を連れて行くつもりだし、愛菜は乗り気。逆らう方が疲れる。
(すぐに帰ればいいか)
千世は諦めて、横目で黒のワンピースを見る。
まさか、こんな形で箱を開けることになろうとは……。
「これって、ドンナだよね? 千世ちゃん、すごい。一式揃えたの?」
「ドンナって、そんなに有名なの?」
心晴はブランド品に興味がないので、あまり詳しくない。シャネルとか、有名どころならかろうじて知っている程度だ。
「ドンナはイタリアの老舗ブランドだよ。ブランドのモットーは、女をより美しく。ドンナも、イタリア語で女、って意味だしね。正式なブランド名はもう少し長かったんだけど……一式揃えるとなると、1ヶ月の給料じゃ足りないと思うんだけど……」
「それ、預かり物なの。だから、開けないで……って言おうと思ったんだけど」
心晴も愛菜も興味津々のようで、箱を手早く開けている。1度も開けないままだったので、中身は千世も知らない。
だが、本当に一式揃えていたようだ。靴まである。
「あんたのサイズだけど、ホントに預かり物なの?」
「……ノーコメント」
プレゼントされた、なんて口が裂けても言えない。
だが、サイズが合っているとなると、上手い言い訳がすぐには浮かんでこない。
「やっぱり、手触りが最高。しかも、デザインも素敵」
愛菜がウットリと、ワンピースを見つめている。確かに、素敵なデザインだ。
それは認める。
けれど、それを着て男性に会う気は毛頭ない。
「決まりね。それを着て行きましょ。愛菜、メークをお願い」
「任せて」
「私の意見は無視なのね……」
心晴は絶対に千世を連れて行くつもりだし、愛菜は乗り気。逆らう方が疲れる。
(すぐに帰ればいいか)
千世は諦めて、横目で黒のワンピースを見る。
まさか、こんな形で箱を開けることになろうとは……。