絶対主従関係。-俺様なアイツ-
どこまで言っても同じ色の壁続き。
苛立ちで涙が出そうなときに、さらに追い討ちをかけるように煙を立てながら黒塗りの車が目の前に止まる。
その砂埃が目にしみて、悔しいほど涙が溢れてしまった。
「…げっほ、ごほ…!」
ひとつ睨みつけてやろうとうっすら浮かぶ影を見据えていた。
煙が落ち着いたころ、運転席からスーツ姿の髭の男性が後部座席に回り、カチャリと扉を開く。
いわゆる執事さんってやつだ。
よっぼどお金持ちなのか、あたしは心の中で散々八つ当たりしてた。
すると、その開かれた車の扉からは、背が高くて少しうなじが隠れるくらいまでの長めの黒髪を持った男が出てきた。
「どーも」
けだるそうに長い足を放り出すように歩く姿も、どこかの雑誌の一部のように感じてた。
だけど彼の格好をみて、あたしは現実に引き戻される。
彼は同じ高校なのだ。
聖英高校の男子用制服で、しかもネクタイの色から同級生だと解る。
同じ年月を過ごしているのに、この差に落胆するしかなかった。
変わらない現状に、はあ、と小さくため息をついたときだった。
「愛子様、ですか…?」
突然名前を呼ばれた、あたしは顔をあげる。
そこにはさっき男の子を車からエスコートした男性が駆け寄ってきた。
「え?…ああ、はい…」
生返事を返すと、白い手袋越しにあたしの手を握ってきた。
苛立ちで涙が出そうなときに、さらに追い討ちをかけるように煙を立てながら黒塗りの車が目の前に止まる。
その砂埃が目にしみて、悔しいほど涙が溢れてしまった。
「…げっほ、ごほ…!」
ひとつ睨みつけてやろうとうっすら浮かぶ影を見据えていた。
煙が落ち着いたころ、運転席からスーツ姿の髭の男性が後部座席に回り、カチャリと扉を開く。
いわゆる執事さんってやつだ。
よっぼどお金持ちなのか、あたしは心の中で散々八つ当たりしてた。
すると、その開かれた車の扉からは、背が高くて少しうなじが隠れるくらいまでの長めの黒髪を持った男が出てきた。
「どーも」
けだるそうに長い足を放り出すように歩く姿も、どこかの雑誌の一部のように感じてた。
だけど彼の格好をみて、あたしは現実に引き戻される。
彼は同じ高校なのだ。
聖英高校の男子用制服で、しかもネクタイの色から同級生だと解る。
同じ年月を過ごしているのに、この差に落胆するしかなかった。
変わらない現状に、はあ、と小さくため息をついたときだった。
「愛子様、ですか…?」
突然名前を呼ばれた、あたしは顔をあげる。
そこにはさっき男の子を車からエスコートした男性が駆け寄ってきた。
「え?…ああ、はい…」
生返事を返すと、白い手袋越しにあたしの手を握ってきた。