しあわせのかたち
阿部の告白を断った後も、碓井主任への返事は出来ないまま、ずるずると時間だけが過ぎていく。


そして、ある週末――…


「碧ぉー!明日は休みだから、飲みに行くよ!」


そう言った弥生の顔は、有無を言わさないような表情をしていた。


「えっ?う、うん」


今日は残業もないし、それに予定があるわけでもない。

だから、別にいいんだけど……

強制、ですか?


「じゃぁ、帰る準備して……。行くよ!」

「えっ、ちょ……。弥生、待ってよ」


私は帰り支度を急いでし、弥生について行った。


そして、会社の近くの居酒屋に入り、弥生は適当に注文をする。


「ねぇ、碧さぁ。悩んでるでしょ」

「な、何よ。いきなり」

「別にさ、一人で悩んで解決出来るならいいよ?そりゃ、最後に決めるのは碧だけどさ。どうしたらいいのかわからないんだったら、相談しなよ。誰かに話して解決する事だってあるんだからさ。それに、何かあったら話して、って言ったでしょ?」


弥生は前にそう言ってくれていたけど……

私の心の中の気持ちを話して、弥生に心配を掛けちゃいけないって思うと、話せなかったんだよね。

それに、結局、どうするかを決めるのは私自身だって、私も思うし。


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