しあわせのかたち
碓井主任の事は気になる。

阿部の事で自分の気持ちがわからなくなったけど、気になるという事は、やっぱり好きなのかもしれない。

でも、私の中に他にも気になる事がある。

“碓井主任も元彼達と同じタイプだったら……”

その不安が頭から離れない。

職場での姿しか知らないけど、その碓井主任を見る限り、碓井主任はそんな人じゃないとは思う。

今まで二股をかける人が多かっただけに、“次に付き合う人も、もしかして……?”と考えてしまう。

だから、一歩前へ踏み出せないまま、時間だけが過ぎている。


「別にさ、二人に告白されたからって、どちらかを選ばなきゃいけないわけじゃないんだよ?碧が何とも思ってないなら、二人とも断ったらいいんだよ。阿部の事は、考えても同期としか思えなかったのもあるだろうけど、やっぱり主任の事が好きだから、断ったのだと思ったんだけど、違うの?」

「違わない、と思う……」

「何でそんな自信なさげなのよ」

「私ね、“幸せになりたい”って思っているの。で、まだ阿部に返事をする前もいっぱい考えたの。その時は、阿部はやっぱり同期としか思えないし、私は碓井主任が気になると思った。後、好きな人と付き合えたら、幸せだろうなって、その時は思っていた。

それに、本当は阿部に返事をした後、主任にも返事をするつもりだった。でも、付き合い出して、また二股をするような人だったら……、って思うと、その事も引っ掛かって、なかなか返事が出来なかった。主任はそんな人じゃないって思うけど、やっぱり考えちゃうの」


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