それでもあなたと結婚したいです。

「……ねぇ、花枝さん……」


甘ったるい低音ボイスが耳をくすぐった瞬間、私は爆発した。


「もぅ!ちょっと!ストップ!ストーップ!!」


「ん……。」


千春さんの肩を揺すって、上半身を起こすと、熱に浮かされた様なとろんとした瞳で私を見つめていた。


「千春さん、しっかりして!!………大丈夫なんですか?私とキスしてるんですよ!!気持ち悪くないんですか?!」


(うぅ………自分で言ってて悲しくなってくる………。これ)


「キス……?あぁ、どうやら、平気みたいです。花枝さんの泣き顔見てたら、したくて堪らなくなって………そんなことより…」


千春さんはスルリと私の両手首を掴むと、またゆっくりとソファーの肘掛けに私を追い込んだ。




「もっと……しよう……。」




私を溶かしてしまう様な熱い視線に囚われて身動きがとれない。


「でも………」


(これ以上は心臓が持たないよ……。)


「やっと、君を感じられる様になったんだ………ダメでも止められない。………花枝さんが俺をこうしたんだ。………責任とって………。」


「あっ………」

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