君色ドラマチック
げっ。こいつ、遊び人の結城玲音じゃん。
なるほど、近くで見ると綺麗な顔をしている。けど、こいつがいったい何の用?
返事をしないでいると、結城……当時金髪でなぜかパンクファッションだった……はにこりと笑って言った。
「あのさ、俺のチームに入らない?」
……暴走族の誘い?
一瞬そう思ってしまった私に、彼は続ける。
「俺、あんたのパターンのセンスが欲しいんだ。頼む。一緒に卒業制作、やってくれないか?」
一緒に卒業制作って……本気で?
「どうして私なの?」
結城は学校で目立つ存在だった。男女問わず友達が多くて、ファッション色彩系の資格もたくさん合格しているし、奇抜なデザインをすることで教授をうならせていた。
そんな彼が、できそこないの私を誘うことに納得がいかない。
「だから、さっき言ったけど、あんたにパターンを引いてほしいんだ」
パターンっていうのは、服の型紙のこと。
「俺、パターンはどうしても苦手で……授業で四苦八苦してたとき、ふと近くで作業してたあんたのパターンを見て、感動したんだよ。あんな完璧な線をひけるやつは他にいない」
「大げさな。線はCADが勝手に引いてくれるよ」
「でも、できあがった仮縫いを見れば一目瞭然だろ。あんたの作品が一番、キレイだった」