君色ドラマチック
「これは?」
結城が、地面に落ちた紙袋と、そこから飛び出した靴の入った箱を、かがんで拾いあげようとする。
「だめっ!」
「え?」
私の声にびっくりした結城が、拾い上げようとした靴の箱から手を滑らせる。
すると、箱から昨日履いていた黄色のハイヒールが転げ落ちた。
慌てて拾い上げて箱に戻すと、ずいっと目の前に紙袋が差し出される。
おそるおそる見上げると、結城が無表情で私を見下ろしていた。
「……今日、これから俺の部屋に来られる?」
「ええと、今日は……」
「来られるよな?」
冷たい声に、全身が硬直していく。
やばい。怒ってる。無表情だけど、目の奥が怒ってる……。
なんとかこくこくとうなずくと、結城は手を差し出し、私を立たせた。
周りを行く社員の目が気になる。
私は無駄な抵抗をやめ、とぼとぼと結城のあとをついていった。