君色ドラマチック
「じゃあ。どうして。あいつの服なんかで全身コーデして会社に来るんだよ」
とんとん突きながら言う結城は、あきらかにイライラしていた。
「だから、着てた服が、ワインとおろろんしたモノで汚れちゃったから」
「シミがついててもなんでも、洗って着てこいよ」
「無茶言わないでよ……」
昨日と同じ服なんて、後輩たちに余計にイジられるじゃない。
それに、曲がりなりにもアパレル会社の社員が二日同じ服って、どうかと思う。
「早く櫻井さん家から出て、俺を呼ぶべきだっただろ」
「あ……」
そうか。
やましいことが何もないのなら、結城に助けを求めれば良かったんだ。
テンパりすぎて、そこまで頭が回らなかった……。
「まったく。俺は慧の何なんだ?言ってくれれば、早朝でも緊急出動したのに」
「ご、めん……テンパってて」
「謝らなくていいけど。今度からは、絶対俺を呼べよ」
「うん、わかった」
うなずくと、結城はやっとテーブルから体を離した。
「気をつけろよ。慧、昨日櫻井さんにやられててもおかしくなかったんだから。そんなことになったら俺、櫻井さんのこと殴りかねない」