運命のブレスレット
司も俺の語気の強さに驚いたようでしばらく黙っていたけどチッと舌打ちをした後に口を開いた。


「クソッしょうがねぇな、俺がまぁ今日中に何とかしてやるよ。」


「ん、今回は俺が言ってなかったってだけなのに、ありがと。」


「ダチのお前の頼みだからな。嫌いな女のことだけどまぁ手は打っておいてやるよ。」


「どうも。」


「っつーかお前、あいつのこと好きなわけ?」


「いや。恋愛感情はないよ。」


「そーか?」


「うん。妹みたいなもんだから、萌南ちゃんは。」


「ふーん。ま、俺にはどうでもいいけど。」


司の後ろ姿を見つめた後、もう一度スマホの先のストラップを眺める。



萌南ちゃん…

物凄く綺麗になってたな……


昔から可愛かったけど、今はどちらかというと美人だ。


しかもかなりの。


さらさらの髪をなびかせて走ってきた萌南ちゃん。


目鼻立ちが綺麗に整っており、程よくふっくらした唇は何だか色っぽくて…



萌南ちゃんも、成長したんだ……。


お互い、見た目にかなりの変化があったことを感じた再会。。



さっき言ったこと、


正しいよな?


だってあの子は妹みたいな存在だから…。



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