運命のブレスレット
「萌南、ちょっとあなた本気なの?」


お父さんとお母さんと私で開かれる臨時家族会議でお母さんが訝しそうに眉をひそめて言った。


「いいの。もう私は過去なんかに逃げないって決めたから。」


「そう…。」


「萌ちゃん、本当に大丈夫なのか?」


今まで黙っていたお父さんが口を開けた。


因みに私のことを“萌ちゃん”と呼ぶのはうちのお父さんだけ。


テレビや新聞のインタビューの時は厳格そうなキャラだけど、私のことになると少々親バカになる。


「大丈夫だって言ってるじゃん!」



勿論私が今許可を得ようとしているのは、もう一度あの道場で合気道を習うこと。



お母さんもお父さんも私の中学時代のことがあるから、こうやって慎重になっているんだ。






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