イジワル上司の甘い求愛

「体調悪いなら、帰れば？」

本気とも冗談ともつかない、そんなセリフを吐かれて私は思わず目の前の浦島さんに鋭い視線を投げつける。

彼はそんな私を知らんぷりして、目の前のパソコンに視線を移す。


「新しい企画に行き詰って色々考えていたんです」

「そう、それならいいけど」

浦島さんはこちらに視線なんて送ることなく、私のつっけんどんな言葉に一言返事をしただけだった。

あぁ、もう。

入社したばかりの頃は、こんなに浦島さんと気まずい関係なんかじゃなかったのになぁ。

浦島さんに手渡された書類を確認しながら、ふとそんな想いが頭を掠めた。