イジワル上司の甘い求愛
さっきから急加速している鼓動が浦島さんにまで聞こえちゃうんじゃないかってくらいうるさく音を立てている。
ずっと、こうしていたい
心の底から湧き上がってきた想いに釘を刺すかのように、玲美さんと外国人の男性がハグをしていた姿が頭を掠める。
「……だめですっ!!」
私は思わず力をいっぱいに込めて浦島さんから自分を引き剥がすように身体を押し戻す。
こんなの、やっぱり駄目だよ。
いきなりすぎる私の行動に浦島さんはさすがに唖然とした表情を浮かべている。
「浦島さんがこんなのことしてるから、罰が当たるんですよ!!」
握りしめた両手にグッと力を入れて、咄嗟に発した言葉は謝罪の言葉でも何でもない。
浦島さんを責めてしまう、そんな最悪な可愛げのない一言。
自分の口から出た言葉に気が付いて、私はハッとした。
だけど、後悔した時にはもう既に遅いらしい。