イジワル上司の甘い求愛

浦島さんの腕の中から見上げると、真っすぐに私を見つめている浦島さんと視線が交わる。

浦島さんの瞳の中に、上気した顔した私の姿を見つける。


それは多分、ほんの一瞬の出来事。

どちらからともなく、まるで磁石みたいにお互いの顔が近づいて、あっさりと軽く唇が触れた。


静かに降り続く雨の夜。
何のムードもない、人通りのまだらな居酒屋の前で、子供の頃に見たトレンディードラマみたいに抱きしめあったまま。

私は、浦島さんとキスをした。

軽く触れただけのキス。

そして、もう一度浦島さんは啄むようなキスを私に降らせた。

きっと私だって顔に火が付いたみたいに真っ赤になってるんだろう。

目の前の浦島さんは、瞳を潤ませたまま頬を染めてにっこりと微笑んだ。