イジワル上司の甘い求愛
「太郎は覚えてるに決まってるよな?だって、チャキのこと、可愛いってよく言ってたもんな」
アルコールの席で良かったのかもしれない。
私と浦島さんの気まずい雰囲気なんて誰も気が付いていないらしく、星川さんが浦島さんの肩をバシバシと叩きながら口を開いた。
「いってぇ。止めろよ、星川!!チャキだって困ってるじゃん」
「別に、いいだろ!!本当のことなんだから」
2人の掛け合いは、あの頃のままだ。
2人でバッテリーを組んで、こうやってふざけあって周囲を笑わせて、みんなのムードメーカーだった。
そして、みんなの憧れだったんだっけ。
懐かしい雰囲気に浦島さんの横顔を覗くように見上げると、浦島さんはまだビールを一口しか飲んでいないっていうのに、顔を真っ赤にしている。