イジワル上司の甘い求愛
「そうだ、太郎。チャキも東京で働いているんだって」
星川さんとの掛け合いを笑ってみていた小柄な男性の先輩が急に私を指さした。
「……へぇ、そう」
少しだけ困った様な、どう答えるべきなのか戸惑った様に視線を泳がせながら浦島さんが相槌を打つ。
「なんだよ、その反応。同じ東京で働いてるんだったらこれを機に会うようになって恋愛に発展することだってあるかもしれないんだぜ?」
「いえ、それは……」
先にそんな言葉を口にしたのは、浦島さんではなく、私の方。
「なんだ、チャキ?もしかして、彼氏とか居る?えっ?!結婚しているとか?!」
「いえ、そんなわけじゃないですけど……」
しどろもどろになる私に星川さんが質問を畳みかける。