イジワル上司の甘い求愛
きっとあれはなにかの冗談で、自由奔放な玲美さんの気まぐれの行動で、浦島さんにとってはただの事故に違いない。


しばらくトイレで考えに考えて、ようやく気持ちの着地点を見つけることが出来たはずだった。


企画部みんなでこれから二次会を開催するのだから笑ってなくちゃ!!

きっとそこには浦島さんもやってきて、いつものように楽しく過ごすことが出来る。


私はパウダールームでメイクを整え、二次会の集合場所のエントランスに向かった。


「すごかったね、玲美さん」

「あれって、婚約成立ってこと?」

「浦島さんイケメンだもんね。狙ってた女性社員も多かったらしいけど、相手が社長の一人娘なら諦めるしかないよね」


エントランスには企画部と、それからなぜか二次会の噂を聞きつけた営業部の面々が集まっていた。

集合場所に集まったスタッフの話題はもちろん、さっきの浦島さんと玲美さんのキスのことばかり。


その話を聞いているだけで、気分は一気に落ち込んでいく。

< 21 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop