イジワル上司の甘い求愛
『じゃあ、終わったらエントランス集合な』
1時間ちょっと前、誘ってくれたはずの浦島さんはいくら待ってもエントランスには現れなかった。
「今夜は、玲美さんとここにお泊りかな」
「あれだけ熱いキスしたら、そりゃ盛り上がるわよね」
誰かが、会場のホテルの天井に向かって指さして、冗談交じりに喋る。
なんとなくみんながその発言に納得して、2次会の会場に向かっていった。
結局、企画部と営業部の合同で開催された2次会は、どんちゃん騒ぎそのもので、かなり盛り上がった。
だけど、私にとっては浦島さんの居ない2次会はなんだか味気ないものになってしまった。
なにしてるんだろう、浦島さん。
私は会場の隅で、大きなため息を吐きだした。