イジワル上司の甘い求愛
「じゃあ、私こっちなので」
「あぁ、お疲れさま」
「お疲れ様でした」
駅の入り口の前で挨拶をすると私は改札口の方へと向かって歩き出す。
「有瀬さん!!」
そんな私の背中に声がかけられて私は足を止めた。
「有瀬さんならきっと大丈夫だと思うけど、いや、有瀬さんだから任せることもあるんだけど……」
そこまで喋った浦島さんが、何かを考える様に視線を宙に彷徨わせる。
「もし、困ったことがあったらいつでも声かけて。俺に」
えっ?!
言葉になんてならなくて、その場に立ち竦んでしまった。
何言っているのか、さっぱり意味が分からない。
浦島さんの言葉がさっきから理解できないでいる。