イジワル上司の甘い求愛
私が高校で野球部のマネージャーをしていた頃、主将で4番バッターを務めていたのがあいつ、ううん、浦島さん。
当時は坊主で真っ黒に日焼けしていたけれど長身に、整った顔立ちの野球部主将は校内ではとても目立つ存在で、同級生からも後輩からもモテモテだったっけ。
例に漏れず、3年生だった浦島さんに当時1年生だった私も恋をしていた。
ちなみに初恋。
『太郎』
野球部の中で浦島さんはそう呼ばれていて、私も当時は『太郎さん』なんて呼んでたんだった。
今となっては、あいつのこと『太郎さん』なんて呼んでいたってことさえもあり得ないことだと思えるのだけど。