あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
そういうと、千景は私の浮き輪にしがみついてそのひもを葵に渡した。
割と大きな浮き輪だから、私が中に入って、千景が持ったところで全然窮屈ではない。
「はぁ、ったく、」
そう、言いながらも葵は紐を受け取って、引っ張ってどんどんと進めてくれる。
足を少し伸ばすと、まだ足は届く位置だった。
「あ、ていうかこの状況、私両手に花ですね」
ふと、思い出したことを言ってみた。
考えてみれば、イケメンが両サイドにいるってそうあるシチュエーションではない。
こういうのが、人に羨ましく映るんだろうなぁ・・・。
普段の嫌がらせが行われる理由もなんとなくわかるような気がした。