あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
まだ降り続けている雨の中、不意に私のほうを見た葵が言葉を詰まらせ、フリーズした。
珍しい、葵。
そんな風に思っていると、何を思ったかいきなりきていた制服のベストを脱ぎだした葵。
この学校では既定の制服を着ていれば上に何を着ようとおっけーなので割と自由だ。
ほとんどの男子生徒は葵みたいな人かネクタイだけか、着けないかのどちらかだ。
稀に夏でもパーカーとか着てくる奴がいるらしい。
葵は脱いだベストを私に差し出した。
「えっと、葵?」
これを私が着ろと?この雨の中重くなるのに、ていうかもう重いのに?
首をかしげていると葵は苦々しく口を開いた。