あの日の桜はⅡ【大幅修正中】

だが、何故かしたがやけに騒がしい。

「どうかしたのか?」

 誰を呼ぶでもなく声をかけると何人かの視線がこちらへと向いた。

「あ、陸さん、それが」

「見ての通りだよ」

 ヒデがいいかけたところでここにいるはずのない人物の声が聞こえた。

「葵っ!なんでそんなびしょぬれなんだよ、しかも莉子まで」

 入口付近でぼとぼとになっている二人を見て驚く。

 この雨を傘なしでここまで来たということか?

 ていうか、なんであの二人が一緒にいるんだよ!? もしかしてデートなのか、そうなのか?
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