この思い秘密です
「坂下さん!私、歌、歌いますなんて言ってませんよ。勝手に話進めるとか信じられない」

エレベーターに乗り扉が閉まったと同時に私は坂下さんを睨みつけた。

急に歌えだとか淳平がイエスと言わなくても私をデビューさせるとか

いくら大物音楽プロデューサと言えあまりにも勝手すぎる。


だが・・・・

当の坂下さんはというと私の訴えなど屁とも思わないというか表情一つ変えず

私に笑顔を見せる。

一人で怒っている私がばかみたいじゃない。

「 沖野君をもう一度大きなステージで歌わせたいんだよね」

うっ・・・

「それは・・・」そうだけど・・・

「だったらそれを助けるのもマネージャーの仕事でしょ?沖野君には少々きつい言い方をしたけど
凪ちゃんだって同じだからね。もう決まったことなんだから腹くくって気持を切り替えなさい」

そう言って頭をポンポンと撫でた。

そして同時にチーンとエレベーターが1階についたことを知らせ扉が開いた。

坂下さんはお見送りはここでいいからまた連絡するねと手をひらひらさせながら1階で待っていた

マネージャーさんらしき人と会社を後にした。

・・・・戻りたくないな・・・

坂下さんが来てから淳平と会話をしていない。(できない状態だったけど)

事務所に戻ればきっと社長と淳平から質問やら文句の嵐だろうな・・・

自分がやりたいと言ったわけじゃないけど

坂下さんから今回の事を事前に聞いていたのは私だけなんだし

何かを言われても仕方がない・・・よね。

錘が乗っかった様に重くなったからだで私は事務所のある5のボタンを押した。
< 15 / 80 >

この作品をシェア

pagetop