この思い秘密です
これでいいんだ。

下手に期待しなくてもいい分楽になったと思えばいいんだよ・・・

そう思うしかなかった。

それにこんなことわかりきっていることだったし・・・・


「いや・・だから・・・その・・」

淳平は何か言いたげに言葉を選んでいるようだったけど

これ以上淳平の言葉に傷付きたくなくて

私は首を横に振った。

もういいよ・・・という意味で


「そうそう・・・夕飯、オムライス作ったから食べて。私はもうちょっとやることあるから。
それと無視するのはやめて。仕事上のパートナーなんだからさ・・・言いたいことが
あればちゃんと言おうよ。今までみたいにさ・・・」


 淳平は掴んだ腕をはなすと唇を噛みながら頷いた。

階段を降りる私に淳平がもう一度私の名前を呼んだが

これ以上傷つきたくなくて

「お残しはいけませんよ」

と作り笑顔を向けた。


そして私はテーブルにおいて置いた自分の分のオムライスだけをもってスタジオへ・・・

だけど・・・それを食べる力などもうなくなっていた。

その代わり目からが大粒の涙がとめどもなくこぼれ落ち


私はスタジオのなかで声を出して泣いた。

幸いスタジオは防音だから淳平の耳に私の声は届かなかった。
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